別れた妻への手紙

今週のお題「告白します」

君は

まだ

覚えてますか

初めて出会った頃のこと

二人で行った

湖は

祝福された

僕らを

優しく

迎えてくれました

あれから

もう

35年が

過ぎました

二人で

手をつないで

歩いた道

君は

そっと

愛の言葉を

囁きました

その声が

今も

僕の耳に

木魂しています

そんな

僕に

襲いかかってきた

病魔が

二人の関係を

こじらせました

君が

悩み

苦しみ

涙していたこと

知りませんでした

新婚初夜

関係を結ぶ

その直前

君は

躊躇い

あと一歩が

踏み出せなかったね

そして

始まった

君と僕との

新しい生活

僕は

君の思いが

何を意味するのか

分からずに

戸惑いの連続でした

そして

二人の息子と

三番目の子供が

娘でした

次男と長女の

誕生は

素直に喜べなかった

でも

君も僕も

次男を

とても愛し

娘は

養女に行きました

僕の好き勝手な

行動を

黙認していた君

でも

君は君で

家庭より

仕事を選びました

お互い様でしょう

そんな二人を

時が

別れさせることに

君は

僕を嫌い

僕は

それでも

君が好きで

片思い

そんな君にとって

別れの格好の

口実となったのは

私が君の信仰と

別な道を

歩み出したこと

離婚が決まった

次の朝

僕は

次男に

半殺しにされました

同情してくれるかと

思いきや

自業自得だと

言い切った君

その時になって

初めて

君の心が

分かりました

君と

初めて

出会った

10月の夜

この人を

必ず幸せにしますと

神様に誓ったこと

果たせなかったのは

心残りだけれど

僕と別れることが

君の幸せというならば

まんざら

僕の誓いの言葉は

成就出来たのかも知れないと

思います

勿論

君もそうでしょうが

僕も

もう

昔のようには

戻れません

夢の中で

また

逢いましょう