ケーキ屋のお兄さん

私には

20年くらい

ケーキ屋のお兄さんから

恩を受けました

それは

持病が

悪化して

毎日

父親に

クリニックまで

送迎してもらって

セレネースヒルナミン

筋肉注射を

うってもらっていた時のことです

父が

ここから

バスに乗って

帰ってくれということになって

家まで

バスで

帰ることになりました

ところが

降ろされた

道路には

バスが走っていなくて

近くにあった

ハンバーガーショップ

公衆電話で

タクシーを呼びました

しかし

待てども

待てども

タクシーは来ません

しびれを切らせて

歩いて帰ることにしました

しかし

歩いて帰るには

あまりにも

遠い道のりでした

そしたら

ケーキ屋さんの

車が

信号で止まっているのを

見つけました

事情を話したら

快く

家の近くまで

載せていって

いただけることになりました

九死に一生を得るとは

このことだと

思ったくらいです

開けたままの

窓から

そよ風が吹いてきます

とても

爽やかな

気分です