人生初めての仕事

人生初めての仕事は

珍味の訪問販売です

一袋500グラムも

入った珍味を

6~7種類

15袋くらい

バックに詰め込んでの

試食販売です

見知らぬ

住宅街へ

一軒一軒

とばすことなく

売り歩きます

売れないと

ただでさえ

精神的に

辛いのに

商品を入れた

バッグが重たくて

肉体的にも

ハードでした

そんな珍味売りですが

何処の世界にも

プロはいるもので

トップセーラーになると

一日10万円以上の

稼ぎがあります

私は

営業に向いておらず

一日せいぜい3万円の売り上げを

目標とする

向上心のない

売り子でした

この仕事

なにが一番辛いかというと

睡眠時間が極端に

短いことです

この訪問販売は

マイクロバスが

寝泊りの場所と

なっていました

朝は

5時ごろ

起床して

洗面と食事と

販売のための荷造りで

1時間くらいしたら

6時頃から

営業開始です

夜の8時くらいまで

民家を回って

8時以降は

酒場の並ぶ

スナック・バー街で

売って歩きます

午前2時くらいまで

ひたすら

売り続けます

晩御飯は

一日の売り上げを

確認してからなので

結局

寝るのは

午前3時くらいです

売れるのが

一番ですが

でも

一番の楽しみは

晩御飯と

2時間ばかりの睡眠です

しかし

あとから

振り返ってみると

暴力団

買ってもらったりとか

極まれに

珍味を6組セットで

買ってもらったりとか

一度は断られたのに

故郷の話をしたら

同郷の方で

2袋買ってくださったりとか

聴覚障害の方が

娘さんを介して

2袋買ってくださったりとか

そういう人との

思い出深い出会いが

沢山出来たことは

貴重な人生経験に

なりました

それから

人生に役立ったことと言えば

どんな人とも

会話ができるようになったことです

この珍味売りの話には

ここに

一切触れていない

事柄もあって

それに

言及すると

珍味売りは

単なる

仕事では

ないことになるので

割愛しました

また

機会があったら

話したいと思います

それでは

また

明日