家内との
失敗談は
語り始めたら
山のようにあって
切りがありません
思いだったのを
いくつか
話すことにします
初めて
出会ってから
所帯を持つまでは
喧嘩なんて
ありませんでした
ところが
生活をともに
すると
いろいろ
気に食わないところが
見えてくるもので
家内は
よくヒステリックになって
いました
彼女のことが
理解できてなかった
新婚時代
私は
なんとか
機嫌をなおしてもらいたくて
あれこれと
姑息なことまでしていました
長男が生まれて
間もない頃
機嫌を損ねてる
家内を
なだめようと
一通の手紙を書きました
勤めから
戻ってきた
彼女は
読みもせずに
何よこんなものと
いって
破り捨て
別れるって
啖呵を切ってきました
今から思えば
愚かなことに
その言葉を
そのまま受け止めてしまい
離婚の覚悟をするのでした
精神的に追い詰められた
私は
実家に戻った
その日
実家を後にした
帰路
急に
激しい不安に
襲われ
救急車で
悪名高き
A病院に
運ばれて
入院になりました
結果的に
離婚になるはずもなく
後々
彼女の手帳に
綴られた
その当時の
内面世界を
知って
本当に辛かったのは
家内の方だったことを
痛感させられました
そして
決定的な失敗は
時が熟するのを
待てず
密かに
教会分派に
改宗していることを
告白してしまったことです
それでなくても
10年以上
寝床を同じに
することなく
家庭内離婚状態だった
彼女に
絶好の口実を与えて
離婚することに
なってしまったことです
離婚することが
彼女の幸せなら
それでいいと
思っています
私も離婚して
家族に神経使わなくても
よくなって
自由奔放に
生きることの
快適さを
満喫できています
それに
時々
優しい家内の夢を見て
幸せ感じているので
十分です
更には
家内に先立たれる
心配もしなくていいのが
この上ありません
愛してるって
思っていたけれど
別れるなんて
思わなかったよ
私は
こんなに悲しい
歌を抱くなんて
思いませんでした
私の心の古里に従い
惚れた心を
消し去って
悲しい季節に
私たち
逢いましょう
日の照る
姿で